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ETA(バスク祖国と自由)

カーニバルが終わる頃、横断幕を持った集団が横の道に行進していった。その直後、ぱーん!と何かがはじける音。爆竹か?と思ったが、再び軽い爆発音がして人がわらわらと走ってきた。明らかに雰囲気がおかしい。

一緒にいたスペイン語堪能で元記者のMさんが覗きに行こうとしたが、人々の叫びや逃げてくる雰囲気に「逃げましょう!」と叫んで、逆方向にひた走った。片手に持っていたチャコリ(残り)は漏れ出していてコートの片袖がびっしょり濡れた。



サイレンの音がする。バスもタクシーもその道を通るので、別の方面から帰るバスを探して遠回りして帰る。一体何があったのかよくわからない。ホテルに戻ってテレビをつけ、ネットで「Basque News」で検索。ローカルのニュースを探した。手が震えた。

eitb24という放送局のサイトにたどり着く。英語の記事は前日のまで、速報はスペイン語だったが翻訳エンジンをかませてなんとか読む。







話はこうだ。

ETAのIgor Angulo(32歳)がスペイン南部の刑務所で首吊り自殺したという。その追悼と抗議のために、バスク地方の街中に弔意のリボンを書いたバスクの旗やビラが貼られている(写真はドノスティア旧市街。ビルバオにも同様のものが貼られていた)。



これに伴って、バスク地方で爆発が相次いだ。ビトリア市ではキャンプ用燃料が爆発。ビルバオ近郊では爆発物処理中に屋根が吹っ飛んで警官2名が負傷。ドノスティアではデモ行進で3人逮捕、建物のガラスが割られた。2日の間に爆発が2件あり、帰国直前にビルバオで見たTVでは「各地の被害の様子です」と報道されていた。



ホテルの裏も、旧市街も新市街も、そしてビルバオ市街も、バスクの旗とIgorの写真、そしてバスク語の横断幕が張られていた。何が起こるかわからない。平穏で人懐っこい街で安心していたのだが…。

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February 28, 2006 5:54 PMに投稿されたエントリーのページです。

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