July 2005 アーカイブ

海底からの生還





1939年5月、米海軍の潜水艦スコーラスがニューイングランド沖で沈没し、生き残った乗組員が深さ250フィートの海底に閉じ込められたときの救出の記録。



潜水艦からの脱出手段を研究し続け、その結果生存者を全員生還させたスウェード・モンセンは、この本を以って功績を明らかにされたという。5メートル余りの深さからの浮上でも、息を止めていたら死んでしまうとか、窒素酔いを避けるためにヘリウムを配合するなど、実際に人が潜りながら探り当てている。モンセンやダイバーの努力と判断力によって生存者は救出され、潜水艦も引き上げられるのだが、これは第2次大戦直前の話だということを、最後に思い出す。



最大の努力を以って救出し、引き上げるのが平時なら、それを一発で仕留め沈めるのが戦時なのだ。