March 30, 2006
百人一首
実は百人一首が好きだと言ったら、意外な顔をされた。中学の頃テストで覚えさせられた記憶もあるが、好きな歌はそうでなくても覚えている。祖母も母も百人一首は好きで、お互い好きな歌について喋ったりもしていた。
短い文字数の中に、掛詞、比喩、言葉あそび、意味の重ねあい。美しい、と思う。
あらざらむ この世のほかの 思ひ出でに
今ひとたびの あふこともがな(和泉式部)
(私は死んでしまってこの世からいなくなるでしょう。この世の思い出にできるように、せめてもう一度、お会いしたいのです…)
祖母の好きな歌。
かくとだに えやはいぶきの さしも草
さしも知らじな もゆる思ひを (藤原実方朝臣)
(こんなにあなたを好きだという気持ちさしも草が燃えるようなを、あなたは知らないのだろう。)
十代の頃からこの歌が好きだ。