地に墜ちた日本航空―果たして自主再建できるのか

初めて海外に飛んだのは、1979年。父の留学のために家族でアメリカに渡航するときだった。弟は赤ん坊だったし、私も小さな子だったけれど、お菓子が入ったポシェットをして、「JALファミリーサービス」のバッジを胸につけて、わくわく飛び立った。

それから20年後、私にとって、JALはやはり憧れだった。アメリカで航空券を買えば、米系よりも安くJALが買えるというのに、連れは「マイレージが溜まるから」と、JALではなくユナイテッドを予約した。そのときの大喧嘩をまだ覚えている。2002年、欧州への出張に、「マイル加算はありませんが」と言われたものの、JALを選んだ。ちょうどいい時間の夜便、そして長時間フライトは満足したかったからだ。

JALは憧れだった。だけど、周囲の友人達はANAのマイルを修行してまで貯めているし、私のマイレージカードもユナイテッドだ。この本では、ANAの鮮やかまでな企業改革と対比させて、JALのもたもたさ、そして裏目にでてしまう戦略が書かれている。読んでいてじれったくなるほどだ。

戦後から現在まで、機内のサービスや機上職がどのように変わってきたのか。社会の変化に対して、会社が取った戦略は何か。日本の航空業界の歴史を知ることができる。これを読んでいると、私自身が感じていたJALへの憧れは、やはり当然のものなのだなあと感じられる。去年乗ったクラスJは、たった1000円の加算で、十分にくつろげたことを思い出した。

著者が掲げる最終解決案は、かなり大胆だ。これは本書を読んでほしい。



地に墜ちた日本航空―果たして自主再建できるのか

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