今世紀で人類は終わる?

衝撃的なタイトル。
アル・ゴアの「不都合な真実」とは違う視点から、人類が今後存続するかどうかに焦点を当てて書かれている。人為的な脅威、自然による脅威、そして宇宙からの視点による存続の可能性といったように、異なるレベルの議論が展開されている。

前半で比較的多くのページが「核」について割かれている。核兵器、核実験、そして原発から出る放射性廃棄物。人が一国民としてでなく、人類の一員として脅威をとらえるきっかけは、核問題だったのではないか。テクノロジーの発達による、バイオテロやサイバーテロ。後半の宇宙的視点に比べるとやや凡庸だが、われわれが直面するであろう脅威が説明される。

宇宙物理学の権威である著者は、後半で科学実験の是非をつきつける。地球というシステムの中で、なんらかの実験をすることは、人類を含めた生態システムに影響を与えるのではないか?地球を脱したらどんな世界が広がるのか?最後はややSFめいているが、読んでのお楽しみで。

今世紀で人類は終わる?

  • マーティン リース、堀 千恵子
  • 草思社
  • 1680円
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書評/社会・政治

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